無題

3月28日分。


UG☆アルティメットガール「さらばアルティメットガール」【最終回】
イベントは3日間開催だったので、いつもなら残りカスしか拾えない宇宙怪獣が巨大なMOEパワーを得ることができ、とっても強い怪獣となって現れたのでした。という風に、コミケの実害を目に見える形で表現していた最終回。
自分の命を真に与えることを選んで、白絹、最後の変身。しかし、白絹の命を使うことなく、UFOマンの一部だけで真は甦り、白絹も無事で万々歳。これからも戦いは続きます。怪獣撲滅の日も、真への告白の道もまだまだ遠い(女の子の裸を見て「風邪引くぞー」ってな反応だけの真にも問題がありすぎ)。がんばれ、白絹!ついでに、がんばれヴィヴィアン!!
ネタがうまくハマっていた部分と空回りしていた部分が混在していましたが、まあ、気楽に見れました。ただし、いつもその後にLOVELOVE再放送をやるせいか、UGが雑な作りに見えてしまって損していたような気がします。方向性が全く違うから比べるべきではないんでしょうけど。



月詠「おにいさま、最終回だそうですよ(はぁと)ずっと私のシモベでいてくださいね(はぁと)(はぁと)(はぁと)」【最終回】
始まった途端、終わってます。何か壮絶な戦いを見た後の気分にさせられます。何て省エネな番組なんでしょう。
というわけで、すごかったらしい戦いも終わり、何もなかったように日常生活が戻ってきました。久しぶりに気合の入った作画です。何事もなかったかのようにマルミ堂も堂々復活。
葉月と今までどおりの関係を築くために、耕平は浄眼を封じたのだそうです。だから、修行前の普通のラブコメ状態に戻ってます。タライも生き生きしてる。そして、全員集合。薫はネコミミモード継続中。葉月に銃を突きつけて賞賛の言葉を強要する光に、妹への愛情を感じました。裕美も陽気にくだ巻いてます。そこに成児に連れられたアルトが現れる。バルガスもいなくなっちゃて、アルトは本当にひとりぼっちになってしまった。憎まれ口をたたいていてもアルトのことが心配だった葉月は、アルトの孤独が人ごととは思えないのか神妙な表情。もっとも満月の晩なんで、そんな殊勝な雰囲気は一分と続かない。まずアルトが耕平に抱きつき、エルフリーデまでたがが外れて耕平にアタック。怒りの葉月に胸倉つかまれても平然と微笑むエルフリーデさんが素敵です。そんな奴らに呆れたのか、いい加減にしろとばかりにデカいタライもマルミ堂を直撃。
夜も更けて、酔っ払いの大人たちはぐだぐだになり、お子様たちが眠りについた中でも、闇を友としてきたアルトはひとり遊びをしている。そんな彼女に耕平は、ひとりじゃなかったから寂しさに耐えられた自分自身のことを話す。そして、葉月のこと。孤独の中で育って、周りが信じられずにいた最初のころの葉月。けれども、彼女は傍にいて愛してくれる人たちを見つけた。きっとアルトもここで見つけられるはずだと。
屋根の上、耕平はついに、母の死を葉月に告げる。葉月は、耕平にすがりつき泣きじゃくった後、首筋を差し出す耕平にいきなり噛み付くことなく、額にそっと口づけをした。多分そうすることで、彼への特別な感謝の気持ちと、単なるシモベじゃない、かけがえのない人への愛情を伝えたかったんでしょう。何があろうと、もう怖くない。みんながいてくれるから。耕平がいてくれるから。
翌日、光、薫を送っていく葉月の手をアルトがつかむ。葉月と一緒に行く、と。着ぐるみを着ているのでアルトの表情が分からないのが残念。きっと、とびっきりキュートな、子供らしい表情に違いない。アルトもまた、新しい一歩を踏み出した。葉月とアルトはいい姉妹になれると思いますよ。
てなところで、セットが回り、本日のゲスト、裕美ねえさまが「悲しい予感」を歌い始めたところでタライが落ちてきて、撤収。


最後までドリフなふざけた終わり方だったわけですが、月詠らしいポップな楽しさと暖かい空気に包まれた最終回でした。ついにお館様は登場せずか。
全編を振り返ると、やはり不満は残りますね。最初からこの作品は、葉月というキャラクターの魅力を核として成り立ってたわけです。だからこそ、孤独の中で育ってきた、まっすぐだけど不器用な彼女が明るい世界に連れ出され、徐々に人とのかかわり方を、愛情のやりとりを覚えていく姿を、もっとゆっくりと日常生活の中で描いて欲しかった。悲劇の少女に新たな悲劇を背負わせても見ていて辛いだけ。こっちは葉月の拗ねたりふくれたりの百面相を見たいのであって、痛々しい表情を見たいんじゃない。キンケル戦はまあいいとして、そのほかの戦闘は、今回冒頭のように華麗にすっとばしてくれて何ら問題ないし、むしろその方が、この作品らしかったような気がします(原作は知らないけど)。人を食った外し方をするなら、その芸風を全編にわたって徹底して欲しかった。不幸を積み上げた深刻な状況を長引かせたせいで、途中からタライなどの軽快なギャグ要素さえ、行き詰まった中での単なる「逃げ」の手段という印象になってしまったのがもったいなかった。
とはいえ、初期の展開は本当に面白かったし、演出的にも楽しませてもらったし、つまるところ、終わりよければすべてよし。最終回で愉快な気分にさせてくれたので、それで満足です。