無題。

焼きたて!!ジャぱん【最終回】「本当に美味いパンを食べさせるのは!?ジャぱんよ、永遠に!」
原作が続いている状態なので、これは無理やりな終わり方なのでしょうが、原作を知らないので十分満足しました。とてもきれいな終わり方じゃないでしょうか?黒やんとピエロのダブル審査というサービスもありつつ、霧崎のちょっと優しい一面も見せつつ、権利関係もありつつの、実にさわやかな幕引きでした。
毎回バラエティに富んだネタを引っ張り出してくれて、安定した面白さを提供してくれたこの作品が終わるのは残念ですが、無理やり引き伸ばすよりはいいんでしょうね。一年半もの間、楽しませ続けてくれたスタッフとキャストに感謝。



3月12日分。


吟遊黙示録マイネリーベ -wieder-「陽光」
本邦初公開。前作にもなかった、ナオジさんお子様バージョン登場。
新キャラ3人組の中で一番印象の薄いダニエルがナオジに絡み始め、ナオジ本人が一番気にしている彼の優柔不断な、自信のない態度を指摘する。そんなときルーイ様が、いきなりなんの前触れもなく、ご自宅のお茶会にオルフェたちを招待宣言。ルーイ様、相変わらず傍若無人に物事進めますね。ご招待の理由は、近頃元気のない母上の気分転換らしい。なぜ彼らかなのかというと、母上の鬱の原因である王弟の事件を知っている人間で、なおかつ「信頼に足る者がほかにはいない」から。うわ、さらっと凄い告白ですよこれ。カミユやナオジだけなら分かるけど、オルフェとエドまで呼んだってことは、カミユたちと同じくらいにオルフェたちを信頼してると言ってるも同然。実際、母上への友達紹介は初めてらしいし、あのルーイに真顔でそんな口説かれ方したら、そりゃオルフェもエドも驚天動地の心地ですよ。何でも言うこと聞いちゃうよ。ルーイ様、上手いなあ。案の定オルフェも、「私たちがいることを忘れるな。何かあったら話して欲しい」とか、素直な態度になっちゃう。そう言って去っていくオルフェの姿を見送って、その甘さに苦笑するルーイ様。照れ隠し?でもオルフェ、あんたホントにチョロいよ。
一方、ナオジさんは自分がそれだけ信頼される人間だという自信が持てないようです。でも、茶会で元気に振る舞おうと努力する侯爵夫人に一番敏感に反応してるのが彼なんですよね。そして、こらえ切れず一人席をはずした侯爵夫人を追いかけ、夫人を慰めようとするナオジ。夫人との会話の中で彼は、「泣きたいときは、思いっきり泣いてしまった方がいい」という、幼い頃、母に言われた言葉を思い出す。多分ナオジは、強くあらねばならないと自分に言い聞かせるため、無意識のうちにその言葉を封じ込めていたのでしょう。そんなナオジだから、今の夫人の気持ちが理解できる。立ち止まってうつむくことは決して恥ずべきことではないし、自分のそうした弱さを無理に抑え込むことはない。そうした経験によって、同じような迷路に入ってしまった人の気持ちを理解できるのだから。そうやって理解してくれるであろう人が傍にいるというだけで、人は安心できるものです。
強い意思と決意をもって突き進むオルフェとルーイ。同様に、誰かを救いたいという意思で行動するカミユ。人間の醜さを見せ付けられても、目をそらさず包み込んだエド。そしてナオジは、迷っている人間を理解し、寄り添ってあげることができる。「お前には人が心落ち着く雰囲気がある。お前を必要としている者がほかにも大勢いる」。ルーイには、ナオジの資質が、自分に欠けている部分を補うものだと分かっているのでしょうね。そうやって彼は着実に、自分の周りを固める人材を育成しているような気がします。もちろん、そんな打算だけではなく、ナオジを得難い「友人」として評価していることも確かです。だからこそ、同じ道を進んで欲しいと願いながらも、ナオジ自身の信じる道を進め、とナオジに選択の自由を与えている。
ルーイがそうやってナオジの道筋を照らす一方で、オルフェはナオジのことを気にかけていながらも、自分には何もできないと分かっていたから、ナオジが自分で答えを見つけるまで見守っていた。オルフェのナオジに対する接し方にも、ルーイとは違ったナオジへの気遣いと信頼があります。
「自分はこの国に来て、みんなに会えて幸せだと実感してます」とオルフェに言うナオジの表情がいつになく晴れやかで満ち足りたものであったのは、その言葉どおり、自分を評価し、自分を信頼し、自分を必要とする友人たちに出会えた幸運に気づいたからでしょう。ただし、為すべきことのために自分はいつか日本に帰るだろう、というナオジの予言が、不穏な時代背景がもたらす不吉な未来につながらないといいのですが。
ナオジというキャラクターのためらいがちな姿勢は、異国での居心地の悪さだけが原因かと思ってましたが、彼のもともとの性格によるものなのかもしれません。日本にいても、同じ壁にぶつかってたんだろうな。ルーイ様の母上の一件がナオジの自分探しへのリードだとは思っていなかったので、今回の展開はちょっとびっくりしました。
眼鏡教師ジェラルドが、家柄が伴わなくても前校長の尽力によってシュトラールになった前例についてオルフェたちに語ってましたが、それはやっぱり、彼自身の話なんでしょうかね。それで、前校長に恩があって、彼の意図を汲んで行動してるということでしょうか?使長にはならずに、隠密かなんかになった?



3月13日分。


Canvas2インディゴの夜明けに」
浩樹の考えなしっ。霧にエリスの用事頼むか?しかも、エリスの前でふたりで行動するか?その上、何も知らない浩樹の態度は、エリスの事故は自分にも責任があると思っている霧の自己嫌悪にもつながっちゃうという浩樹の疫病神ぶり。でも、想いを断ち切るために添い寝をせがんだエリスが浩樹の横で語る言葉は、まるで嫁いでいく娘のようで、その真剣な瞳に、浩樹はやっとこさエリスを一人の女性として意識したような気がしますし、初めてその気持ちに気づき始めたようです。だから、エリスの見舞いに行くという霧を止めようとしたんでしょうね。しかし、ここで実に口の軽い事態打開人物、橋爪によって、エリスの恋心はあっという間に事実として浩樹に伝わることなりました。橋爪くん、君のことはよく知らないが、グッジョブ。
結局エリスは、死に立ち向かっていこうとする朋子の「生きていればなんだってできる」という言葉で、自分が狭い世界で出口を見つけようともがいていたことを知る。その目の前には、新たな、もっと広い世界が広がっているのだと。それを言っちゃおしまいよ、というくらい究極の解決法ですが、多感な少女エリスさんには目からウロコだったらしい。てなわけで、エリスは悩みを自己解決。
エリスと浩樹で一丁あがりかと思ってたけど、今のエリスには浩樹はそれほど必要じゃないかも。女の子たちがあちこち壁にぶつかって成長していってるのに比べて、壁の存在に気づかない浩樹の前進はトロすぎてぜんぜん追いついてないし、誰とも結ばれずに終わるってこともアリ?