無題

9月5日分。


奥様は魔法少女「心を開く、ということ」
巽にすべてを打ち明けた嬉子。評議会からの使者たちに追われたり、クルージェに助けられたりしながら彼女は気づく。自分は管理者として、この世界のためにも、そして自分自身のためにも何もしてこなかったのだと。
一方、自分でも分からないままに嬉子を助けたクルージェ。評議会の要求から逃げるため、自ら24時間魔法を封印した矢先、学校が火事になる。もう消えてしまう世界だから、と何もかも諦めた表情で見つめるクルージェを鼓舞し、諦めずに消火活動を続けるクラスメートたち。別に仲の良い友達とも思っていなかったけれど、大事なものを守ろうと必死な姿の彼らを見て、この世界が消えてしまうということは、こうやって必死に生きている彼らの存在をも消してしまうのだということに、その重さに初めて気付く。嬉子が降らせた雨で鎮火した校舎の前。助け出された自分を取り囲み、泣き出すクラスメートたちを見ながら、クルージェの頬にも涙が伝う。やっとクルージェは、この世界とつながることができたようです。
今までの自分を振り返り反省しつつ、クルージェの姿も見守った嬉子。最後に浅羽の前に現れた彼女は、別れを告げにきたのか?評議会とどう戦うつもりなのか?どうも嬉子が巽のことを本当に愛しているとは思えないんだよなぁ。クルージェが心を開いたんだから、嬉子も少しは成長した姿を見てみたいものです。



創聖のアクエリオン「翼、儚く」
滝の前で瞑想していた司令は、「夢」という漢字をアポロの前で書いてみせる。夢がなくては生きていく意味がないが、人が夢を抱えていくのは難しい。なぜなら、夢に人と書いて「儚」いだから。夢をつかむも儚くするも、自分次第。どうやら今回の戦いの前にふたりで交わした会話のようです。久しぶりにほっしゃん。ばりな司令の漢字講座が見られて感無量。
本編に戻って先週の続き。グレンはやはりフタバの翅を移植されたらしく、しかもそれによって過敏になった感受性を遮断する処置を施され、完全に感情を失っている(新国連軍の人たちはグレンが志願したかのように言ってたけど、グレンは意識不明だったはずだから、無理やり改造人間パターンですよね?)。堕天翅の翅は人間の能力を極限まで引き上げてくれるため、強攻型アクエリオンの搭乗者はひとりで十分。人間を超えた動きを見せるグレンと、余裕すら感じられるシリウスは高速の戦いを繰り広げる。ついにはグレンのベクターを撃墜し、なお無傷のシリウスが司令部のシルヴィアを呼び寄せようとする。
シリウスの力でシルヴィアは強攻型ベクターへと無理やり転移させられた。元々ひとつだった二人には、再びひとつに戻ろうとする力が働くはず、とトーマ。夢見るようにシリウスの手を取ろうとするシルヴィアだったが、アポロのベクター・ソルが割って入り、麗花とともにシルヴィアをヘッドに無理やり合体してアクエリオン・エンジェルの誕生(もういちいち驚くのも時間の無駄な新型ですよ)。しかし、しつこく呼びかけるシリウスの翅に呼応するように現れたシルヴィアの翅を見て、司令部に動揺が広がる。そこで司令が久々に吼える!!
「人が生まれで決まるなら、夢などいらん!夢を作ることで人は生まれを乗り越える。それでこそ人!それでこそ夢!!」
一緒に飛ぶことだってできる、とシルヴィアを誘うシリウスを睨みつけたアポロは、しっかりとシルヴィアの腕をつかむ。「空飛んで、人見下して楽しいか!?飛べなくたって、夢をつかむことはできる!!」。それをあざ笑うシリウスの姿を見て、シルヴィアの心は決まった。彼女の翼の生えていない右手は「人と、大切な人と結ぶためにあるのよ!!」アポロの手をとるシルヴィア。堕天翅の血に引きずられたシリウスに対し、彼女はたとえ飛べなくても、地を這う存在であろうとも、なりふり構わず夢を叶えようとする「人間」という存在を選んだ。それは奇しくも一万二千年前、アポロニアスが下した決断でもあった。
堕天翅と人間もかつてはひとつの存在だったんでしょうかね?なぜシリウスやシルヴィアが片腕にしか翅を持たないのか、シルヴィアの言葉でなんとなく分かりました。翅を持つ腕はお互い同士を結び、堕天翅と手をつなぐため。そしてもう片方は、人間(アポロ)の手を取るためにあるんですね。彼らは、人間と堕天翅をつなぐ存在として生まれてきたのではないだろうか?
ケルビム・マーズを貫くのは、シルヴィアの「哀・天使剣」。もう一度、今度はお互い本当に分かり合うために、兄に剣を向けたのだった。爆発するケルビムを捨て、ベクター・マーズが離脱する。「いい技だ・・・」とかちょっと満足げな声音を残し、そそくさと飛んでいったお兄さま。あっさり敗走でいいんですか?それとも、少しくらいはシルヴィアの兄を思う心が伝わった?
司令部のジュンは、無人システム(強攻型ベクターを操っていた?)の中にフタバの翅を見つける。人はいつも最良の道を選んだつもりでも、多くの場合愚かな選択である、という司令のひとりごとは誰に向けられたものなのか?新国連軍か?シリウスか?
一方、戦い終わって早速ふたりだけの世界にしけこんでいるトーマとシリウス。トーマは、ようやく君と並ぶことができる、と言ってましたが、「並ぶことができる」のは、シリウスが完全に仲間を裏切ったから?それとも、シリウスがシルヴィアを手に入れて完全な堕天翅になったあかつきには、晴れてトーマとおしとね勝負という意味ですか?
再びアポロとシルヴィアが手を取り合った回。シルヴィアを引き止めるアポロのセリフがカッコよかったなぁ。お邪魔なお兄さまがいない分、今度こそ深く結びついたのだろうか?でも、3人が結びつかないと解決にならないような気がする。今回は戦闘シーンのスピードも凄かった。グレンはともかく、トーマのマブになっただけでいきなり強くなってるシリウスが不思議でしたが、眠っていた堕天翅の才能が目覚めたんでしょうかね?ついでに、見事に小物感全開なジェロームの活躍にも目を見張らされましたねぇ。ネタは少ないが、内容の濃い回で満足。


次回は麗花の卒業話(多分ウソ)。