いい話だった。

月詠「・・・・・・だって欲しかったんだもん(はぁと)」
今回は、葉月がこの世界に一歩踏み出すまでを描いた脚本で、演出もその繊細なテーマに沿って細部に注意を払われたものであったし、作画も丁寧な仕事がされてました。多分、今まででベストのエピソードかも。いやまあ、途中のサービス・ファッションショーはちょっと逸脱してましたが、それについては触れません。感じてください。(?)


最初から葉月は恐れていた。長い間、城の中に孤独のまま閉じ込められていた彼女にとって、外の世界は未知の恐怖に満ちたものだった。だからこそ耕平を力で縛ろうとしたし、その力が通じないと分かってからは、誘惑しようとした。それもダメなら、シモベとして扱うことで優位に立とうとした。周囲に対しても、いたいけな少女の役を演じて自分を守ろうとした。
しかし、邪眼の力を使ってひろみにベッドを買わせたことで、耕平の怒りが爆発。葉月を平手打ちする。じいさんにたしなめられるのももっともですが、耕平らしい不器用さで、耕平なりにきちんと葉月を育てようとしてるんですよね。ちゃんとお兄さんしてるじゃん。売り言葉に買い言葉で、邪眼を使わなくても自分はやっていけるのだということを証明しようとした葉月は、勇気を振り絞ってひろみに枕をねだるが、タイミング悪くひろみは忙しくて葉月の話を聞いている暇もない。落ち込む葉月。自分は、やはり力がなければ外の世界で生きていくことはできないんだ・・・。しかし、そこにひろみが現れる。葉月が欲しがっていた枕を持って。しかも、おざなりに用事を片付けるような様子ではなく、忙しい中、葉月が喜ぶであろう枕を探して買ってきてくれた。葉月という、友達のために。
葉月と耕平が喧嘩別れしてからここまでの演出では、意図的に濃い影を使ったりフレームをはみだすような形で人々の表情が隠されています。葉月の視線から見た「世界」というものは、こんな風に不気味で恐ろしいものだったんですね。しかし、友達、という言葉を聞いて顔を上げた葉月が見たのは、葉月を気遣うひろみの暖かなまなざし。葉月が恐れていた世界は、こんなにも優しい顔を持っていたのだ。
ひろみにすべてを話す葉月。「フリ」ではなくて、心の底から後悔して泣きじゃくる姿が可愛らしい。ひろみは葉月のしたことを快く許してくれ、耕平が葉月のためにバイトをしていたこと、ひろみに葉月の母探しを依頼していたこと、そして、葉月のために土産を買っていたことを教えてくれた。バイトから帰ってきた耕平のために饅頭を用意する葉月。葉月が初めて何の見返りもなしに、耕平への感謝の気持ちを込めて用意したものだった。鈴の音で、耕平も葉月が土産を受け取ったことを知る。耕平が自分のことを真剣に考えていてくれたことを悟った葉月と、葉月の不安に気づいた耕平。ちょっとした表現で、ふたりがお互いの距離を縮めていく様子を描いていました。
てか、葉月スクリーン・セーバーを使ってるところを見るとひろみも葉月マニアなんじゃ?じいさんは相変わらず細かいボケが上手い上に、ボケを装ってふたりの間で緩衝役を果たしてたりする様子がうかがえます。さすが年の功。
タライにかわって新レギュラーとして丸太が落ちてきました。この家はどうなっとんじゃい?ライバル宣言したエルフリーデは予告にまで進出。母上と母さまの違いって、唇が合うかどうかとか?