劇場版ガッシュ

今日は、劇場版ガッシュのことについてしか書いてませんので、ガッシュに興味のない方、スルーして下さい。また、力の限りネタバレしてるので、知りたくない方も目を逸らしましょう。


ついに公開。劇場版ガッシュ。この日を後顧の憂いなく迎えるために、今週いっぱい死ぬ気で仕事をこなしてきた自分を褒めてあげたい。
というわけで、忘れないうちに感想を書いときます。



「劇場版金色のガッシュベル!!ー101番目の魔物ー」
行って参りました、渋谷での舞台挨拶付き上映。最近、千人万人単位のイベントにしか行ってなかったんで、執拗なカメラチェックが新鮮でしたね。カバンの中のものをぶちまけさせるくらいのカメラチェックなんて久しぶり。会場は親子連れ、小学生ももちろん多かったですが、大半は中学生っぽい。明らかに日本語しゃべってない方々もいるんですけど、内容分かるんでしょうか?予想通り、私のようにいい年をした奴が単独でという姿は見られなかったような気がします。オタク人生が長いと羞恥心というものを失ってしまうのでいいんですけど、お子様限定の「おきがえガッシュベル」をもらえなかったのが淋しい・・・。
まずは舞台挨拶から。いきなり登場したガッシュの着ぐるみが微妙。会場に笑いが起きる。ハッキリ言ってコワイっスよあれ。会場の小さなお子様がひきつけ起こさないかとハラハラしました。次に大谷育江櫻井孝宏両名が登場してご挨拶。作者の雷句氏がアフレコに挑戦したのは17巻をゲットした方ならご存知と思いますが、大谷さんに言わせると、「みなさん、すごいですねえ、こんなのできないですよ〜」とかビビりまくりだったわりには、本番はあっさりと上手くこなしてしまい、なんだ、面白くない、と思ったらしいです。おふたり曰く、すごくお上手なので、逆に分かりずらいけど、魔界場面に登場のヒゲの長いキャラクターというのがヒントらしいです。そのおかげで、私もすぐに分かりました。短い場面ですが、実際、全く違和感はなく演じてらっしゃいました。残念なことに、裏話はそれくらいでした。
そして、上戸彩登場。ヒールを履いてるせいかデカい(いや、すごく小柄な印象があったので・・・)。彩ちゃんお気に入りのキャラクターはウマゴンだそうで、司会をしていたフジの武田アナ、「ウマゴンなんですよね」と後々まで引っ張るもんだから、なぜそれをひっぱる!?と大谷さんと櫻井さんのツッコミが炸裂。それをフォローするように、彩ちゃんが櫻井さんの方を向いて「お会いして、声をやってる方だあ、と感動しました」と言い、櫻井さんも、「いえ、ボクが感動してます」とお見合い状態になってるのを、「なに(お互いに)告ってるんですか?」と大谷さんにツッコまれておりました。と、こんなもんかな。舞台挨拶短いし。舞台挨拶が終って3人が退場すると、会場の4分の1くらいもいっせいに立ち上がって退場。丸の内へ向かうようです。つまり、舞台挨拶だけが目当ての方々なんですね。ご苦労様。


さて本編。さすがに第一回目上映だけあって、とっちらかってます。ガッシュ関係のCMが3本ほどあった後いきなり本編に入りましたが、最初の方は音声が抜けてました。
冒頭、今回の悪役、ワイズマンの語りから入りますが、彼の「僕」という一人称に、会場から失笑が・・・。確かに違和感がありましたね。キャストのせいか、キャラクターがボク男に見えなかったせいか。で、いきなりガッシュ組、ティオ組、キャンチョメ組、ウマゴン組が、富士山ふもとで休日を楽しんでいる場面へ。ここはなかなか楽しい。
全編を通して、会場のお子様が一番ウケてたのは、やはりキャンチョメ組のやりとりでしょうか。恵をフォルゴレと比べて、「一般芸能人」扱いしてるキャンチョメがステキです。冒頭場面におけるキャンチョメは、抱きしめたくなるくらいカワイイです。もちろん、「チチもげ」「無敵フォルゴレ」もちゃんとやりますし。しかし、なんでフォルゴレは吹っ飛ばされるたびにケツを露出してしまうのでしょうかね?もう少し丈夫なズボンを履くべきだと思うのですが(てか、彼はパンツはいてるんだろうか?と今回ふと疑問が・・・)。
「きみのこの声が届きますように」が流れますが、イントロで、闇の中にたくさんの本が浮かんでいるところは、ぞくっ、としました。続いて、ちょっとこの歌の雰囲気に合わない、のどかなキャンプ風景が展開されます。そこから、ガッシュと今回のオリジナルキャラ、コトハの出会いからワイズマンの登場まで、途中、ザコキャラとの戦闘もはさみつつ進行し、かなりシリアスな場面が続きます。ガッシュ組以外の出番が少ないので、ちょっと物足りない。みなさん、最後の戦闘シーンでは、格闘モノにはつきものの解説役になっちゃってましたし。ガッシュが財布を持って消えてしまったため空腹でやさぐれてるティオ組、ウマゴン組と、バンビーナに御馳走になって満腹なキャンチョメ組との対比は面白かったですけど。あ、鈴芽とナオミコンビもちらっと登場。なんだか、鈴芽がナオミの本を持っててもおかしくないような気がしてきました。
魔界に入ってからは、魔界の学校で、ガッシュと清麿の立場がいつもと逆になってるのが楽しいです。加えて、これは明らかに生物じゃねーぞ、という魔物キャラがゴロゴロ。その中でも、千葉繁杉山佳寿子コンビというキャスティングがウレシかったですねえ。黒騎士役の錦織健は、あまりしゃべりの場面がないので、違和感はありませんでした。ほとんど歌ってますから。そして、魔界の校長先生の口から、ガッシュが100人の中に選ばれた経緯も明らかに!・・・校長先生、いい加減すぎ。
途中、ガッシュが生まれた村をたずねたりして、ワイズマンとの最終決戦まで、いろいろツッコミたいところは満載ですが、まあこれはエクストラな話だから許そう、という気になります。ただし、最後はどうしても納得できません。ガッシュたちが連携プレーで戦うのならいいけど、王を決める戦いのライバルたちが合体技をやるというのは強引すぎじゃないか?
ガッシュが魔界にとどまろうとする理由も弱い。ガッシュが魔界の落ちこぼれなのはもとより承知のことなのに、偶然100人の中に選ばれたということを知って、やさしい王様を目指してきた決心をあっさり翻すのは、あまりにも無責任。


うーん。ディープかつ詳細に、設定の根本にかかわるところまで行きすぎてて、完全に自分の首を絞めてる状態。まあ、劇場版に関しては、あまり本編との整合性は気にしないつもりだったんで、そこら辺は目をつぶるとしても、日常の楽しい場面が少なかったのが期待はずれでした。確かに、笑える場面もあるんだけど、後が続かない。せっかくのお祭りなんだから、ここまでやらんでも、というくらいハジけた内容にして欲しかったです(それこそ今週のTV版のMJ12みたいに)。一方で、これは絶対泣ける!という場面があるわけでもない。笑いと感動、どちらも中途半端にしか表現されてませんでした(ガッシュの魅力は、その振り幅が大きいところにあるんですけどね・・・)。
作画はキレイですが、驚くほどというわけでもない。ただし、ティオ組の作画は異様に力が入ってたような気がします。恵がなかなかに色っぽい。演出に関しても、さすが劇場版、と唸らされるほどではないですが、戦闘シーンは迫力があります。いっそのこと、もっと戦闘場面を多くしてもよかったかも。


ちなみに、魔界では、ブリや卵焼きや鯛焼きの木があります。お腹が空くので、食事を済ませてから観ましょう。