笑劇

忘却の録画にまんまと失敗しました(御多分に洩れず、赤い衝撃をフルで録ったクチです)。
でも、ちゃんと見てても1回飛ばして見ても分からんことには変わりないからいっか。



7月14日分。


ギャラクシーエンジェル「ラッキーモンキー汗かきベソかき穴あきー焼き」「友情の切り身お試し価格」
前回の燃えないゴミに引き続き、日常の隠れた名品を見直そうシリーズ(製作者にシリーズ意図はないと思いますが)。第2弾はちくわです。
爆発物を瞬時にリセットしたり、危篤状態の中佐を救ったできるんですから、ちくわって素晴らしい。てか、一応死ぬか生きるかの時なんだから、マウスツーマウスくらいしたれや。もし嫁き遅れたとしても、それは決してマウスツーマウスが原因じゃないですよみなさん。あなたたち自身の性格が(以下略)。
和平条約締結に至るまで導いたのもちくわの功績ということで、きれいにまとまりました。でもいくら役に立つからって、それを脇に挟んでる女ってどうかと思いますよ。しかもちくわぶだし(ちくわぶも美味しいですけど)。
爽やかなお話でしたねえ。脈絡というものをはなから無視して、不条理を前面に押し出してばたばたと進んでいく。そうかと思えば、土管がどっかーんと落ちてくるような、基本に忠実な場面も入れて一呼吸。私が一番ノリやすいリズムに仕上がっててくれてウレシイです。
ちなみに、アルコールに火をつけると激しく燃えるので、よい子は絶対に真似しちゃいけません。


Bパートは正真正銘のシリーズ、烏丸ちとせの大冒険です。ツインスター隊に入ったはずのちとせですが、まだ真の心の友を追い求めてるようで、とうとう禁断の最終兵器、ミルフィーユ桜葉に手を出しました。
一応先週でエンジェル隊への不信がMAXに達したはずなのに、それでも懲りずに果敢にトライ。ただし相手が悪かった。ミルフィーユはトリッキーですからね。彼女は善意のかたまりなんですが、善意がありゃいいってもんじゃないという典型的な例。コズミック級の災厄をもたらす魔性の女。疑ってかかって大正解。てか、最初から関わっちゃアカンて。何度も躊躇しながらも(そして生身のまま宇宙に飛ばされながらも)、ついついミルフィーユの善人面にほだされるちとせ。彼女の根性(と生命力)は、ミルフィーユのキャラクターに匹敵するものがあるかもしれません。
オチはちょっと弱かったですが、ミルフィーユさんの恐ろしさが伝わる締めにはなってました。コンビーフの缶がさり気なく飛んでいたのも、私的にはポイントが高かったです(コンビーフ好きです)。


どちらかというと、Aパートのシュールさが好きでしたが、ひたすらちとせさんを踏みにじる、Bパートのブラック・キュートな感覚も捨てがたい。毎回Bパートはこんな感じで進んでくれると楽しめそう。



黒祠の島』(小野不由美/祥伝社ノンポシェット)
一応、推理物らしいですが、ヒントをフェアに分かりやすく提示してくれるので、謎解きはそれほど難しくはなかったです(最後の謎部分は予想外でしたが)。
友人を捜して閉鎖的な島に渡り、そこで孤立してしまった主人公。現代的な感覚では理解できない、不条理な倫理観を共有するコミュニティが醸し出す不気味さの描写がうまいですね。読んでて居心地が悪くなってきます。罪の受け止め方と、それを裁くという行為に、万人が納得するような正解はない。その点をめぐってのラスト近くのやりとりも面白い。結局、明確な反論が出来ないまま、主人公が相手の論理に対して屈してしまった(妥協してしまった)ように見える形で終わるのも、下手にきれいにまとめて煙に巻かれるより納得できました。