そりゃビクトリーム様は偉大であるとは思ってましたよ。

けれども私は、ビクトリーム様の影響を甘く見ておりました。
今まで、ガッシュのキーワードでこの日記に飛んでくる方はごく少数でしかなかったのですが、先週の日記分だけは、ガッシュ感想がぶっちぎり。しかもそれ以降、サーチエンジンから、「ビクトリーム」「ベリーメロン」のワードで飛んでくる方が後を絶たず、はてな内キーワードで飛んでくる他のワード分をはるかに凌駕する数。ウチの日記がこんなに盛況を極めることは、後にも先にもないでしょう。
みんな、ビクトリーム様好きすぎ。


ちなみに、昨日たまたま実家から夕張メロンが届きました(オーッホッホッホッ)ので、ガッシュを見ながら美味しくいただきました。うちの両親ってスゴイかもしんない。



金色のガッシュベル!!「ブルァアア!!紳士怒りのチャーグル」
新聞のTV欄では「Vよさらば」と、まるでセミレギュラー退場のような扱いをされていたビクトリーム様。しかも、タイトルコールにまで登場という破格の扱いを受けてます。扱い的には清麿より上なのでは・・・?
前回に比べて、今回は間延びしてる印象がありました。頭脳戦でもあるので、説明ゼリフがテンポを殺いでしまうのは仕方ないのでしょう。


ビクトリームへとダッシュをかけるガッシュ、ティオ、ウマゴン。迫り来るガッシュが放つザケル。自分の体がキャンチョメの化けた姿であることに気付き、怒りのマグルガを放つビクトリーム。しかし、自分の体に当たって撃沈、という一連の流れはスムースで切り替えもスピーディー。かつ、オチでちゃんと笑わせてくれる。原作では省いていた、左腕のチャーグル分もきちんと補った上、接触の悪い左肩という小技も入れてます。
ティオ。紳士集中攻撃はやめなさいって言うてるでしょが。効果的なのは分かったから。
こうやって映像にしてみると、原作どおりとはいえ、チャーグル・イミスドンが到達するまでの会話、バオウ・ザケルガ後の会話のテンポがトロい。その間、視聴者を楽しませて下さったV様、ご苦労様です。
最後の勝機にかけるパートナー達。ひとり疎外感を感じたウマゴンが、淋しげな鳴き声で遠くへと呼びかける部分は、効果的に切なく演出されてました。
ラストの作戦は、分かりやすく映像で説明できるかどうか不安でしたが、キャンチョメを投げるガッシュ、バオウ・ザケルガの姿から戻るキャンチョメ(尻尾がカワイイ)などを入れた細かいアレンジで、かなり分かりやすくなったのではないかと思います。これは、ガッシュの数々の戦闘の中でも屈指の頭脳プレーなんで、原作を知らない人にも理解できてるといいんだけど。細かいことを言わせてもらえば、V様の45度修正効果音は「ギィ」ではなく、原作の「ガチャン」の方が、なんだかカッコよさげで好きです。
ついに追い詰められたビクトリーム。ここでまた、ベリーメロンのダメ押しが来るとは思いませんでした。チチもげでさえ、これほどヘビーローテーションされたことはないでしょう。原作では、「Vの体勢で消えさせてくれー!!」でフレームアウトだったことを考えると、「おさらばだ!」とカッコよくキメて消える瞬間まで見せてくれるのはウレシイような、実際に消える姿が映されるは淋しいやらと、フクザツな心境でした。


何はともあれ、若本規夫なくしては語れないビクトリーム。若本氏には、途中息切れしてるのかな、という部分も見られましたが、リズミカルなマグル・ヨーヨーの掛け声(ワンッチュッワンッチュッ)や、ブララララァァという笑い声、オカマチックな語尾など、脚本なのかアドリブなのか分からない多彩なビクトリームを見せていただき、大満足しております。お疲れ様でした。


ビクトリームに全力投球したような感がありますので、次回のクオリティが大幅に崩れることがないよう祈ってます。



レジェンズ〜甦る竜王伝説〜「地球の悲鳴が聞こえてた」
今までの脱線がウソのように、いきなり核心に迫る話。
初っ端からBBとの闘い。シュウの頭の上の火を消そうとするシロンがかわいらしい。上からの命令に従っているだけとはいえ、マックを拉致するBBたちも、さすがに何が起こっているのか不安になってます。
マックを連れてこさせたランシーンがいうには、地球をリセットするために人間を滅ぼすのがレジェンズの役目だそうです。魅せられたようにランシーンの言葉に同調していくマック。マック自身がタリスポッドになって、土のレジェンズグリフォンを生み出す。シロンとグリフォンの闘い。それを止める覚醒したグリードー。そして、水のサーガらしいメグの危機に水のレジェンズも現れて、大混戦。
濃い。あまりにも濃すぎる展開で、今まで子供たち4人の友情物語や、BBたちのサラリーマン物語を楽しんでいた分、戸惑いを覚えてしまいました。
一方で、随所に印象的な場面がありました。マックの危機に、言われなくてもシロンをリボーンさせるシュウとか、ロボットのように無感情に仕事をこなしていた総務のシリアスな問いかけとか。特にラスト、ひっつめ髪からセクシー・ダイナマイツへとシフトするハルカ先生の姿は、幻想的で美しかったですねぇ。
アイキャッチタリスポッドは、4大元素だったことを初めて知りました。



6月26日分。


光と水のダフネエスケープ・フロム・カムチャッカ
今回はタイトルのデザインも凝ってます。
海洋庁情報局に拉致されたマイア。トニーによってマイアの境遇を知らされるネレイス・メンバー。それにも動じないレナにしびれを切らして飛び出した静香は、つかさに協力させてマイアを助け出す。ふたりを助けるミリイ。グロリア、ゆうも派手に大活躍。久しぶりにネレイス・メンバーの大暴れを堪能。こういう勢いのある展開を待ってたんですよ。お宝ハンターの兄弟たち、警部さんと、ゲストキャラも大集合。あっちこっちに顔出してるトニーが笑えますが、彼の役割って単なる連絡役だけなんでしょうかね?ミリイのように、エルピダに間接的にかかわっているのかもしれない。
よもぎ1号に乗ったレナがおいしいところをかっさらって、花岡も凛々しくバックアップにまわって、真相を暴くためにみんなでエルピダを目指す。
上の意向に逆らって、マイアたちにエルピダの座標を送ったケビン。「行っておいで」と写真の中のマイアに語りかけた声が、泣けてくるぐらい優しい。ひとりぼっちで100年後の世界に放り出されたマイアだけど、この世界でも、ちゃんとみんなに愛されてたんですよね。
おじいちゃんの素性についてはまだ語られてませんが、マイアのお兄ちゃんとかなんでしょうか?



『歩兵の本領』(浅田次郎/講談社文庫)
作者の自衛隊体験はエッセイの中にも書かれていますが、今回はそれを題材とした連作短編集。冒頭とラストを飾る作品は、作者の分身のように見える名無しの士長が登場し一人称で語られ、それ以外は三人称で展開されるという構成。
戦後の記憶がまだかろうじて残っている時代であると同時に、国全体が豊かな生活へと指向していた高度経済成長期において、自衛隊は社会的に見下される嫌われ者。その時代を背景として語られる物語は、作者の通常の物語よりも理性寄りで、軍隊論、日本の防衛論ともなっている。
冒頭の「若鷲の歌」では、特攻隊の生き残りである川原准尉のセリフがすべてカタカナで記され、戦争を挟んだふたつの世代の隔たりを感じさせるているのが興味深い。一方で、旧軍の伝統を受け継いだ先任士長たちの理不尽な行動が、物語を重ねるごとに、この組織を運営していく上で不可欠かつ論理的な行動に見えてくるのも面白い。
もちろん、うたい文句のとおり、青春グラフィティとして読んでも十分楽しかったです。
こんな風に自衛隊が忌み嫌われる存在であった時代と、単なる職業上の選択肢となりつつある今現在では、どっちが健全なんでしょうね。